子どもとペットと異所性脂肪
子どもと異所性脂肪 子どもにも異所性脂肪?
異所性脂肪も蓄積していた
ところで、子どもたちには異所性脂肪はないのでしょうか?
近年、日本では肥満児が増えています。文部科学省の統計によれば2024年度の11歳での肥満傾向児は男児が13.00%、女児が10.02%と、どちらも10年前と比べて1~4ポイントの増加。特にコロナ禍以降はさらにその傾向が強まっています。※1
そして大学病院の調査では、これら肥満小児の22.5~44%が脂肪肝を発症しており、小児全体の約10倍にのぼっていました。※2
文部科学省「令和6年度学校保健統計」
Cho Y, et. al., PLoS One, 10(9), e0137239, 2015
肥満の影響は、成人後も続く
ある研究に基づく分析では、10代の肥満児における異所性脂肪の蓄積が、将来的な心血管疾患リスクの増加と関連していることが報告されています。※3
また10代の肥満女児を対象とした別の研究では、肥満が月経異常を伴う女性に多く見られる多嚢胞性卵巣症候群の発症に関与しており、将来的に肥満になったり生殖機能に悪影響が生じたりする可能性も報告されています。※4
Hens W, et. al., Obes Rev, 18(11), 1310-1322, 2017
Kim JY, et. al., J Clin Endocrinol Metab, 103(2), 546-554, 2018
もっと話そう、脂肪と健康
子どもたちの将来を守るのは、今の大人たちの役目。でもこれは子どもたちにも知っておいてほしい脂肪の話。運動不足、過食、不登校やひきこもりなど肥満になる背景は様々ですが、家庭、そして社会のみんなでもっと話して取り組んでいきたいものです。
ペットと異所性脂肪 ペットも脂肪肝、脂肪筋になる
放っておくとフレイルや代謝異常に
異所性脂肪は人だけの問題ではありません。例えば家族でもあるペット。そう、犬や猫も運動不足や食習慣によっては脂肪肝※1, 2や脂肪筋になることがあるんです。ペットの異所性脂肪は、人と同じように筋力低下や代謝異常のリスクになってしまいます。特に猫の脂肪肝には注意が必要です。
古瀬充宏ら, ペット栄養学会誌, 2(2), 78-86, 1999
Kabir M, et. Al., Am J Physiol Endocrinol Metab, 288(2), E454-461, 2005
猫が食べなくなったら黄信号
猫の脂肪肝は「肝リピドーシス」と呼ばれ、わずか数日間で命に関わる状態にまで進行することがあります。
猫は、繊細で気まぐれな動物。ストレスや病気、環境の変化が原因で食事をしなくなることもあります。ストレスで食事をとらずにいると、猫の身体は体脂肪を分解してエネルギーを補おうとします。その際につくられる遊離脂肪酸を肝臓が処理しきれず溜め込んでしまい※3、肝脂肪が加速、さらに食欲をなくしてしまうという悪循環にハマってしまうのです。日頃から、ご飯の減りが悪くないか、嘔吐や黄疸などは出ていないか、など小さな変化も見逃さないよう気にしてあげたいものです。
亘敏広ら, ペット栄養学会誌, 6(3), 147-151, 2003
飼い主と一緒に、健康管理を
2024年現在、犬や猫の飼育頭数の合計が約1,600万頭と、子ども(15歳未満/1,366万人)よりも多いとされる日本。ペットのウェルビーイングは重要な課題です。食生活や運動習慣を共にする飼い主とペットが、共に健康になれるライフスタイルを目指しませんか。