異所性脂肪ジャーナル.2
妊活と卵巣脂肪
妊娠とBMIの意外なつながり
脂肪と妊娠。一見、それほど関係ないように思えますが、とんでもない。BMIと妊娠についての研究によると、BMIが25を超えて高くなるほど排卵障害も起こりやすくなり※1 、妊娠率が低いことが明らかに。またBMI20以下でも不妊の傾向が強まることから、妊娠に適したBMIは20〜24。妊活をする上で大事な指標と言えるでしょう。
Rich-Edwards JW, et. al., Epidemiology, 13(2), 184-190, 2002より一部改変して作図
妊活は10代から始まっている
さらにもう一つ、見逃せない研究があります。18歳時点で低体重や肥満だった人ほど、不妊症リスクが高くなる傾向が見られたのです※2。将来、子どもがほしい時になって、思春期の頃の体重や体脂肪量は変えられません。細い体型に憧れても、ダイエットのし過ぎには要注意です。
Iida M, et al., Maturitas, 193, 108172, 2025
なんと卵巣にも脂肪はたまる
加齢により卵子の質が低下することはよく知られていますが、最近の研究では、もうひとつの“見えない要因”が注目されています。それは、卵巣に脂肪がたまるという現象です。加齢や肥満によって卵巣の組織に脂肪が蓄積し、その結果、組織が硬くなり(いわゆる「卵巣の線維化」)、機能が低下することがわかってきたのです。これは不妊の一因にもなりうると考えられています。
動物実験では、高脂肪の食事によって肥満化したマウスが卵巣にも脂肪をため込み、排卵や妊娠に影響を及ぼすことが報告されています※3 。人でもBMIが高い場合、同様のプロセスが起きている可能性があるという指摘も。これまで「加齢が原因」とされてきた妊娠力の低下に、脂肪という新たな視点が加わりつつあります。妊娠を希望する女性にとって、体重管理や食生活の見直しが、想像以上に大切な意味を持つのかもしれません。
Umehara T, et. al., Sci Adv, 8(24), eabn4564, 2022
元気の鍵はミトコンドリア
細胞には、細胞を活性化するエネルギーを生み出すミトコンドリアがあります。卵巣に脂肪が過剰にたまると、処理しきれない脂肪を分解しようとミトコンドリアが限界を超えて働き続けます。その結果、卵巣にダメージが加わってしまい、硬くなり機能が低下してしまうのです。
脂質代謝を高め、卵巣を元気に
広島大学の研究によると、脂質代謝を改善する食品を摂ることが卵巣への脂肪蓄積を抑え、ミトコンドリアの活性化を促し、ひいては卵巣機能の向上につながることがわかってきました※4。
異所性脂肪から卵巣機能を守り、未来社会の活力を支えるために。私たちMGPは素材の可能性に挑み、さらなる研究・開発を進めてまいります。
Umehara T, et. al., J Reprod Dev, 70(3), 202-206, 2024